呼吸器内科

呼吸器内科では、気管・気管支・肺などの呼吸にかかわる臓器を診察します。呼吸器の異常は「咳」に出ることが多く、咳が止まらない・長引く咳などはぜんそくをはじめ、慢性気管支炎・肺気腫・肺線維症などの専門的な呼吸疾患から肺炎や肺がん・慢性呼吸不全などの重篤な病気の現れかもしれません。「ただの風邪」と思わず、受診してしっかり完治させることが重要です。

長引く咳

「咳が原因で夜に眠れない」「喋ると咳が出る」「1ヶ月以上、咳が続いている」など、長びく咳は、とても辛いものです。長引く咳が続く原因については後述しますが、特に風邪による咳の症状にお悩みの方は多いと思います。咳は有害物質や細菌などの異物を外に出すための生理的な反応であり、それ自体を心配することはないのですが、長引く咳の陰にはCOPD、気管支ぜんそく、インフルエンザなど重大な病気が隠れていることがあります。あまりにも症状がつらいという場合には、一度医療機関で検査を受けましょう。

長びく咳の悪循環(どうして咳は長びくのか?)

咳をすると沢山のエネルギーを消費します。咳をすると気管支へのダメージも相当なものです。咳をすることで、気管の内腔の粘膜が荒れた状態が持続します。気管の内腔が荒れた状態が持続すると、神経が露出して、気管支が敏感な状態となります(=過敏性亢進)。元気な時であれば、少々の冷たい空気を吸ったり、ゴミが気管に入ったりしても、咳は少ししかでません。しかし、気管支の過敏性が亢進した状態が持続すると、少しの刺激で咳が出る様になります。咳が出ると、一層、気管の内腔が荒れた状態に拍車がかかります。咳→気管内腔が荒れる→咳が一層出やすくなる→咳をして気管内腔が更に荒れていく。すなわち、悪循環の状態となってしまいます。

長びく咳の原因は?

感染性のもの、アレルギー性のもの、薬剤による副作用、その他の病気が原因のものなど、咳の原因には多くの種類があります。感染性のものとしては、マイコプラズマ、百日咳、肺炎、インフルエンザ、通常の風邪、肺結核などをはじめ、多くの疾患があります。アレルギー性のものとしては、気管支喘息、咳喘息、アトピー咳嗽などがあります。薬剤性のものとしては、高血圧の薬(ACE阻害剤)、免疫抑制剤、抗がん剤などの副作用があります。
その他の原因としては、副鼻腔炎、後鼻漏(鼻水が、のどの奥に落ちてくる)、逆流性食道炎、肺がん、間質性肺炎、リウマチ、等の様々な疾患があります。

生活習慣の見直し

咳の原因疾患を診断して治療するのは病院や医師の役割です。それに加えて、「先ず風邪をひかないようにする」「(風邪をひいてしまっても)咳が長びかないようにする」など、個人個人が生活習慣を見直すことも大切です。
風邪はひき始めた時の対応が大切です(風邪治療のゴールデンタイムであると私は考えます!)。風邪をひいたと感じたら、その日は早めに帰宅して早く寝ましょう。ひき始めに充分な睡眠をとれば、風邪はすぐに治ってしまいます。その逆に、風邪のひき始めに無理をすれば、こじれてしまいます。

 平素から、睡眠時間を充分にとりましょう。
 疲れをためたり、体を冷やさないようにしましょう。 
 室内の保湿、保温に心掛けましょう。
 唐辛子、キムチ、コショウなどは、咳を誘発します。
 禁煙をしましょう。 
 室内のダニ、ハウスダストに注意しましょう。
 ペットの飼い方に注意しましょう。