禁煙外来

禁煙外来は、お医者さんと二人三脚で禁煙ができる機関です。かつては禁煙に失敗する理由は喫煙者の意志が弱いせいだといわれていましたが、最近は長年の喫煙歴がある人ほどタバコの中に含まれているニコチンという物質に対して依存症を起こしていることが明らかになっています。やめようと思ってもつい吸ってしまうのは意志だけの問題ではなく、ニコチンへの依存が大きくかかわっているのです。禁煙外来はそんなニコチンに対する依存症を徐々になくしていくための場所です。最初の診察でニコチン依存症かどうかの診断を行い、禁煙宣言書にサインをして禁煙を始めます。お医者さんから適切なアドバイスを受けることが出来るほか、吸いたいという気持ちを緩和する薬の処方なども受けられますので、一人で孤独に挑戦するよりも禁煙成功率が高いのが最大の特徴です。

禁煙外来で、一緒に禁煙しましょう

喫煙を続けると、肺がん、喉頭がん、狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、解離性大動脈瘤などの発病リスクが高まります。

1.ニコチン依存症とは

タバコが健康に悪いのはわかっているし、家族からも禁煙を勧められている、吸える場所も年々減っていき肩身が狭い・・・それなのに、禁煙できないのは何故でしょう?現在では、やめられない喫煙の実態は「ニコチン依存症」という治療が必要な病気であることがわかっています。では、タバコを吸うという行為が、どのようにして「ニコチン依存症」にいたるのでしょうか。タバコを吸うと、ニコチンが数秒で脳に達し、快感を生じさせる物質(ドパミン)を放出させます。ドパミンが放出されると、喫煙者は快感を味わいます。同時に、またもう一度タバコを吸いたいという欲求が生じます。さらに次の1本が欲しくなるという悪循環に陥ります。この状態がニコチン依存症(=喫煙の習慣)です。
病気であるニコチン依存症を意思の力だけで治すことは難しいのです。
注:保険診療で禁煙外来を受けるためには、喫煙本数、喫煙年数、本人の意思の有無等、基準を満たす必要があります。特に、「(1日の喫煙本数)×(喫煙年数)が200以上である。」といった基準です。

2.禁煙外来について

内服薬を3ヶ月処方することで、禁煙をサポートしていきます。院長と看護スタッフがサポートさせて頂ますが、一番大切なことは、本人の意思です。禁煙の薬を内服すると、タバコが美味しくなくなり、ただの煙を吸っている状態になります。しかし、禁煙外来に通院されても、失敗される方はおられますので、最終的には本人の意思に成否がかかっていると思われます。

3.よくある質問
Q:3ヶ月で費用はいくらかかりますか?
A:保険診療、3割負担の方で、3ヶ月で合計約19,000円です。
Q:未成年でも治療は受けられますか?
A:未成年の方は、保険診療では難しいです。理由は、保険診療で禁煙治療を受けるためには、「(1日の喫煙本数)×(喫煙年数)が200以上である。」という基準をクリアする必要があります。若い方で、この基準を満たす方は、殆どおられないと思います。
Q:過去に禁煙外来の治療を受けて失敗しましたが、再度禁煙外来の処方は受けられますか?
A:前回の禁煙治療を受けた初日から、1年間経過していれば、再度、保険診療で、禁煙治療を受けることができます。

禁煙外来の治療方法

一般的な治療では、12週間の間に5回の診察を受けます。最初の診察では問診を行い、ニコチン依存症であることを確認してから禁煙宣言書にサインをします。2回目以降の診察では、禁煙のアドバイスなどを受けつつ、医師の問診を受けます。禁煙で特にきついといわれているのが最初の3日間です。この間をタバコに頼ることなく効果的に乗り切るため、飲み薬を服用します。飲み薬はタバコを吸いたいという気持ちを和らげてくれますが、場合によっては副作用が出ることもありますので、事前に医師にアレルギーなどの疾患歴がないかなどを伝えておく必要があります。また、場合によっては医師から禁煙を継続するためのツール(禁煙期間がわかるアプリなど)の使用を進められることがあります。適切な使い方をすれば、禁煙の継続に繋がります。

禁煙に成功すると得られるたくさんのメリット

禁煙をすることにより得られるメリットはたくさんありますが、その中でも一番大きなものが健康上のメリットです。タバコを吸っていたことによる倦怠感がなくなり、正常な嗅覚や味覚が取り戻せるので普段の食事が楽しくなります。食事が楽しすぎて太る人もいるようですが、タバコの効果で痩せているよりはタバコをやめて太った方がよっぽど健康的です。また、一緒にいる家族や同僚に対して気を遣う必要が無くなるというのも大きなメリットです。他人に副流煙を吸わせて迷惑をかけているという気兼ねをしなくても良いので、卑屈にならずに堂々とした態度でいることが出来ます。また、タバコを吸う時間、喫煙場所を探す時間など、無駄な時間の浪費もなくなるため、1日の中でできることが増えます。お金の節約にもつながり、人生の幅が大きく広がります。

・大切な家族の受動喫煙を回避し、家族のがんリスクを大きく下げられる
・咳や痰が少なくなり、発声やカラオケなどがスムーズ
・お肌の調子がよくなり、化粧のノリが改善されるようになった
・タバコで麻痺していた味覚が戻り、食べ物の味が美味しく感じられる
・タバコ代に使っていたお金を別のことに充てられ、金銭面で余裕が生まれます

禁煙外来には健康保険が適用されます

以前、禁煙外来は全額自己負担でしたが、現在はケース次第で健康保険の適用を受けることができます。健康保険が適用される条件は以下の通りです。

  • 1:ニコチン依存症診断テストが5点以上
  • 2:1日の平均喫煙本数×喫煙年数が200を超えている
  • 3:1か月以内に禁煙を始めるつもりでいる
  • 4:「禁煙治療のための標準手順書」による説明を医師から受けた後で、禁煙宣言書で治療に同意している

この4つの条件をすべて満たしていた場合、保険の適用が効きます。3割負担の場合、12週間でかかる実費負担額は15000円程度です。もしこの12週間の間、毎日400円のタバコを20本(1箱)ずつ吸っていたとすると、400円×84日(12週間)=33600円がかかります。どちらがより得かは説明するまでもありませんね。